2026/05/31 08:25

4話 落ち込んだ私を、My Personal Space が本来の私へ戻す 


夕方になっても、彼女はずっと泣いていた。
仕事で大きなミスをした。あんなに努力したのに、どうして。
悔しさと恥ずかしさが入り混じって、うまく呼吸ができないまま、時間だけが過ぎていく。


立ち直れない。
そう思いながら、ふらりと洗面所へ向かった。


いつもの場所。
そこに、見慣れた真っ白な DREAM FUTURE の無撚糸タオルがあった。


彼女はそのまま、泣きじゃくった顔をそっと埋めた。
ふわりとしたやわらかさが、涙で熱くなった頬を受け止める。
ただ触れているだけなのに、胸の奥にまで静けさが広がっていく。


そのときだった。
遠くのほうから、かすかな声が聞こえた気がした。


「大丈夫、がんばれ」

誰かが言ったのかもしれない。
それとも、自分の奥にまだ残っていた声だったのかもしれない。

これっていつもの魔法?


どれくらい、このタオルに寄り添っていただろう。
何分だったのか、何時間だったのかもわからない。
けれど気がついたときには、荒れていた気持ちは少しずつほどけ、
本来の自分が静かに戻ってきていた。


それは、誰にも邪魔されない時間。
My Personal Space。


ここで彼女は、落ち込んだ自分を責めるのではなく、
ただ受け止め、ただ休ませることを覚えた。


やがて夜が深まり、
いつもの自分を取り戻した彼女は、穏やかな眠りへ落ちていく。
明日になればまた、仕事で活躍している自分がいる。
そう信じられるだけで、心は少しあたたかかった。


そして白い無撚糸タオルは、
今日もそっと、彼女のそばにいた。