2026/09/07 21:39

マネージャーになって、一年近くが過ぎた。
最初のうちは、本当に苦しかった。
部下の迷いにどう向き合えばいいのかわからず、自分の言葉が空回りすることも多かった。
肌は荒れ、円形脱毛症に気づいて不安になった夜もあった。
それでも、私は逃げなかった。
一人ひとりと向き合い、小さな成功を積み重ねていった。
そして、あるときから、変化が見え始めた。
「洋子さん、この企画、こうしてみたらどうでしょうか」
「前より、メンバーとの話し方がやわらかくなったと思います」
「任された仕事を、自分で考えて進められるようになりました」
かつては指示を待つだけだった部下が、自ら考え、提案し、動けるようになっていった。
失敗しても、すぐに立ち直り、次に活かそうとする姿が見えるようになった。
その姿を見たとき、胸の奥が熱くなった。
「育った……」
自分が苦労した分だけ、彼ら、彼女らの成長がうれしかった。
マネージャーとしての喜びを、初めて心から感じた瞬間だった。
そしてその成果が、大きな舞台に結びついた。
「CREATE PROJECT WORLD」
世界中からビジネス企画が集まる、国際的な大会だ。
その日本代表に、私たちの企画チームが選ばれた。
「世界大会、行けるんですね!」
「洋子さんがいてくれたから、ここまで来られました!」
メンバーの顔は、誰もが輝いていた。
私も、同じように胸を弾ませていた。
世界大会の開催地は、ニューヨーク。
その名前を聞いた瞬間、私はふと、ある人のことを思い出した。
浅井君。
かつて一緒にチームで戦った、よき思い出。
そして、ほのかな恋心。
「……会えるかな」
飛行機に乗る前、私はふと考えた。
ニューヨーク支店長として、彼は今、どんな顔をしているのだろう。
あのとき、私を残してアメリカへ行った彼は、きっと今も前を向いているはずだ。
そして、心に決意した。
「浅井君に、私の成長した姿を見せる」
かつては、彼に支えられ、彼に導かれた私。
でも今は、私も一人のマネージャーとして、チームを率いている。
その姿を、彼に見せたい。
BAGの横には、いつもの相棒「オーガンジー巾着」がそっと置かれていた。
中には、白い無撚糸タオル。
どんなに忙しいときも、どんなに不安なときも、私を包んでくれた相棒だ。そしてここまで私を連
れてきてくれた。
「一緒に行こうね」
そうつぶやいて、私は飛行機に乗り込んだ。
窓の外には、青い空が広がっている。
ニューヨークでは、どんな展開が待ち受けているのか。
また、恋の行方はどうなるのか。
洋子は、胸の高鳴りを抑えきれないまま、機体が滑走路を走り出すのを感じていた。
そして洋子の心もまたいつしか彼に向って走り出していた、、、
さてニューヨークではどんな展開がまっているのでしょうか。
こうご期待。
