2026/10/18 11:07

第12話 世界大会での奇跡と信頼の絆

ニューヨークのホテルに着いたのは、夕方だった。窓の外には、見慣れない街の光が広がっている。


明日は、いよいよ世界大会だ。企画チームのメンバーは、みんな緊張と期待で顔が輝いていた。


けれど私の胸には、別の気持ちもあった。ここまで来るまでの苦労。


部下とぶつかった日々。自分が正しいのか、わからなくなった夜。


そして、あの円形脱毛症に気づいた朝。

 

ホテルの部屋に入り、私はしばらく窓の外を見つめていた。ニューヨークの夜は、きらきらと明るくて、少しだけ寂しかった。

 

けれど、私はBAGを開けた。そこには、いつもの相棒がいた。オーガンジー巾着。


その中から、白い無撚糸タオルをそっと取り出す。

 

まるで、魔法を取り出すみたいだった。タオルを顔にそっと当てる。


その瞬間、ふわりとしたやわらかさが、疲れた肌と心を包んだ。


ニューヨークの乾いた空気も、旅の緊張も、少しずつほどけていく。

 

「……気持ちいい」

 

このタオルは、いつも私をねぎらってくれるみたいだった。頑張ってきた私を、そっと抱きしめてくれる。苦労してきた日々を、やさしく受け止めてくれる。

 

タオルの隙間から、照明の明るい光が差し込む。その光が、まるで私をたたえているように感じられた。

 

「頑張ってきてよかった」私は、小さくつぶやいた。そして、ふと浅井君のことを思い出した。


あの決勝の夜。彼が私に言ってくれた言葉。

 

「大丈夫。僕を信じて」あのときの私は、彼に支えられていた。でも今、私は支える側になっている。


部下を信じ、部下と一緒に成長していくこと。それが、人を育てるということなのだと、ようやくわかった気がした。

 

安心して、私は眠りについた。

 

翌朝。
会場に着くと、入り口に見慣れた姿があった。

 

浅井支店長。「瞳部長、みんなようこそニューヨークへ」その声に、私は少し照れてしまった。」

 

「部長、顔が赤いですよ」部下がからかうように言う。


私は慌てて、緊張しているだけだと言い訳した。浅井支店長は、笑いながら差し入れを配り始めた。


部下たちは、みんな喜びで跳ね上がった。

 

そして、支店長、私、部下全員で円陣を組んだ。中央で手を合わせる。

 

「DO OUR BEST!」私が一言、叫んだ。みんなの声が、会場に響いた。そして私たちのプレゼンが始まった。

 

他のチームは、代表や数名がステージに上がり、スクリーンを使って発表していた。


でも、私たちのチームは違った。二十五名全員がステージに上がり、最初に会場全体へお辞儀をした。
そして、全員で手をつなぐ。一人ひとりは、小さな役目。

 

でも、つながっていくと、一つのストーリーになる。それが、私たちのプロジェクトだった。

 

プレゼンが始まると、会場は静まり返った。一人、また一人。言葉がつながり、思いがつながっていく。

 

けれど、最後の一人で、話が止まった。

 

彼女は、多くの聴衆の前で、頭が真っ白になってしまったのだ。「え? 大丈夫? どうしよう?」

 

私は心の中で叫んだ。

そのときだった。チームリーダーが、円陣のポーズをした。全員が彼女を囲む。

 

そして、彼が話し始めた。

 

「プロジェクトを遂行していると、色々なトラブルがあります。でも私たちは、チームです。どんな時も助け合います。


だから前に進めるのです。そして、成功したとき、それはチーム全員の力です。プレゼンが止まった彼女もほっとした表情をした。

 

そしてリーダーが最後に1言。ラグビーに有名なことばがあります。One for all, All for one (1人はみんなのために、みんなは1人のために )

 


これで僕たちのプレゼンを終わります」その瞬間、会場から割れんばかりの大きな拍手が鳴り響いた。

 

私は、裏の楽屋にいた。あまりの感動にもう涙が止まらなかった。浅井支店長が、静かに一言言った。

 

「洋子ちゃん、素晴らしく皆成長したね。でも、一番成長したのは洋子ちゃん。いや、瞳部長かな……」

 

私は、涙を拭いながら、笑った。この言葉が、何よりの賞だった。すべてのプレゼンが終わり、いよいよ審査結果の発表になった。


会場の空気が、少しずつ張りつめていく。私たちは、最後でつまずいてしまった。




だから、全員が心の中で同じことを思っていた。「たぶん、ダメだろうな……」それでも、私たちは自分たちの席で最後まで手をつなぎ続けた。


その手の温かさだけが、私を支えていた。やがて、審査委員長がステージに立ち、ゆっくりと口を開いた。


The Japanese team was fantastic.
(日本チームは、素晴らしかった)


その一言に、私の心臓が跳ねた。



First, courtesy. This is a wonderful aspect of Japanese culture. And then, teamwork. This shows that a project is never the work of just one person, but belongs to everyone.

(まず、礼。これは素晴らしい日本文化だ。そして、チームワーク。これは、プロジェクトが決して一人だけのものではなく、全員のものであることを物語っている)


審査委員長の声は、静かで、それでいて力強かった。



And just like a story, it flowed seamlessly from the prologue onward, giving me a wonderful experience and deeply moving me. The final cover performed by the entire cast—I was so moved, I simply can’t put it into words. It taught me what it means to be a good person. Thank you!

(そして、物語のように序章から続いて、素晴らしい流れと感動をいただいた。最後の全員のカバー。もう、言葉にできないくらい感動した。私は、人としてどうあるべきかを学ばせてもらった。ありがとう!)



その瞬間、会場は大きな拍手に包まれた。私は、審査委員長から審査員特別賞を受け取った。


もう、目から涙が止まらなかった。心の中で、何度も何度もつぶやいていた。「皆、ありがとう」


この賞は、私一人のものじゃない。二十五名全員のものだ。そして、支えてくれた浅井支店長のものでもある。


会場を出たあと、浅井支店長が全員に向かって言った。「瞳部長、皆、本当におめでとう!私も感動したよ。これからも頑張って!」

 

そして、私にだけ、少し声を落として言った。「瞳部長、来年こっちにこないかな?実は支店を出すんだよ。君なら適任だと思って」



私は、一瞬言葉を失った。「え……同じニューヨークにいられる……」その言葉が、頭の中で何度も何度も響いた。

 

その晩、ホテルの部屋に戻った私の頭には、もう来年のことがよぎっていた。新しい支店。新しい挑戦。そして、同じ街にいる浅井君。

 

ベッドの布団の傍らには、巾着に入ったタオルが、そっとお守りのように置かれていた。ここまで連れてきてくれた、たくさんの思い出が、洋子の夢の中で映像のように流れていく。


そして、明日へと続く新しい物語が、静かに始まろうとしていた。

(編集後記)

洋子が愛してやまない相棒の無撚糸(むねんし) Towel。そのTowelの前では、いつも素の自分に帰れる、そして1日を反省してまた明日へと成長していく。My personal Spaceという彼女独自のルーティーンの時間は、きっとどなたにも似たようなお時間があるものと思います。このSHOPにいらしていただいた方、また読者の方に素敵な人生をぜひ歩んで頂きたい。この小説にはそんな思いがこめられています。まだまだ続いてゆきますが、ぜひ自分らしい素敵な生き方をなさってください。

タオルソムリエとしても数々のタオルを経験してきて、この無撚糸(むねんし)タオルは、人生を優しく包んでくれるようなふかふかの温かさがあるように思います。多少繊細な面もありますが、「大切に自分をいたわる」ことができるタオルと思います。以下ご案内させて頂きますので、ご興味あられる方は、ぜひお薦めの商品専用ページでご覧ください。以下

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DREAM FUTUREⅡ SHOP 店長 小川 洋一